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簡素な生活。

サカタカツミのブログ。連載のサブノートが中心。すべての働く人たちに。役に立つ話も立たない話もあり。

働くを真面目に考えると。



就活生に限らず、転職などの相談に乗っていると「働くこと」について考えているという台詞を聞くことが少なくない。ただし、本人は至って真面目に考えているようだけれども実際は「ちょっと思い詰めてみただけ」という感じの印象を受けることが多い。人に話をチラッと聞いてみたり、お風呂でぼんやり考えたりする程度。まあ、本人にしてみたら、それでもすごく考えているということになるのだろうけど。相談を受ける立場としては本気度を計り兼ねてしまって、どこまでアドバイスをすれば良いのか、いつも迷う。

現状、働くことを考える書籍は、私自身が書いたものも含めて山のようにあるが、その多くは口当たりがよく、わかりやすく、そしてなによりサクッと読めるようになっている。だからというのも変だが、ザックリとした内容になっていて具体的になにをすれば良いのかも曖昧だし、ケースバイケースな事例やハウツーであっても「断定的に」書いてあるので(そうじゃないと話が前に進まないので)結果として「読んだだけで満足する」という本にすぎなくなっている。そういう本じゃなきゃ売れないという事実もあるんだけど。

今回ツイートしてあるは、翻訳本にありがちな「事細かに、いろんなことをこれでもかと詰め込んである」タイプの本である。ソフトウェアの世界、つまりプログラマーやエンジニアのキャリアを考えるための本なのだが、それ以外の人が読んでも当たり前のように役に立つことが満載だ。おおよそ、仕事について考え、それに就き、働きだして起こることが書き込まれていて、なぜ起こるのか、どう対処すれば良いのかがサラッと書いてあるのだ。ポイントはサラッと、というところかもしれない。第三者的という雰囲気。

日本のそれらの書籍の多くは、書き手の当事者意識が強すぎて、ともすれば主張を押し付けてしまいがちだ。こうあるべきだ、ということは「その人にとって」の話にすぎないのだが、それが全部であるというある意味で「私小説風な」本になってしまうのだ。それで役に立つ人がいればいいが、そうじゃない人の方がむしろ多い。あなたは著者ではないのだから。そして、著者はあなたでもない。働くことを考えたいのなら、この本を手に取ってみて欲しい。そして、働くことを抽象的に考えることから脱出してほしいと願う。