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簡素な生活。

サカタカツミのブログ。連載のサブノートが中心。すべての働く人たちに。役に立つ話も立たない話もあり。

コミュニケーションの形。

世界でもっとも強力な9のアルゴリズム

世界でもっとも強力な9のアルゴリズム



帯に書かれている惹句が素晴らしい。「わたしたちはアルゴリズムの中で日常暮らしている」まさにその通りである。が、それに気がついている人はあまり多くない。私自身も自覚はなかったが、ある連載を準備していて、それを書くために様々な取材をし、集まった断片的なメモを目の前に、何度も繰り返し思いを巡らせているうちに実感した。その後に、たまたまこの本に出会って、自分がたどり着いた結論は間違っていない、いや、少なくとも「筋は悪くない」と意を強く持った。とても興味深い一冊だ。

準備している連載は「エンジニアはキャリアアップ(もしくは幸せに働く)のために、周囲とどのようにコミュニケーションを取るべきか」という、とても小さなテーマになる予定だった。が、その前提として「エンジニアのコミュニケーションは特殊である」という視座や「エンジニアはコミュ障である」という認識のようなものがあった。しかし、あるタイミングを境に「あ、それは違う」ことに気がついた。詳しい経緯は連載で明らかにするが、少なくとも「エンジニアのコミニュケーション」は既に弱者ではない。

考えてみれば当然で、彼らが考えるアルゴリズムの上に世の中の多くの人たちのコミュニケーションは成り立っている。そう、ルールを作り、運用し続ける彼らの土俵で、非エンジニア領域にいる人もコミュニケーションを取っているのだ。ウェブサイトもメールも、スマートフォンも。意識をしなくても「手のひらの上」にいて、彼らが考えるコミュニケーションの延長線上で、私たちはコミュニケーションしている。かつて「こんにちは」から始める電子メールはダメだ、といっていた私たちは、既にもういない。

この本には「検索エンジンのインデクシング」「ページランク」「公開鍵暗号」「誤り訂正符号」「パターン認識」「データ圧縮」「データベース」「デジタル署名」などのアルゴリズムが、とてもわかりやすく解説されている。ネット時代のアルゴリズムを直感で理解するとも帯に添えられているが、まさにその通りだ。エンジニア領域にいない人間でも理解できるよう、そして、退屈しない内容になっている。新しい時代のコミュニケーションを考えるためには「底支えしていること」も理解しておいた方がいい。