簡素な生活。

サカタカツミのブログ。連載のサブノートが中心。すべての働く人たちに。役に立つ話も立たない話もあり。

ソーシャルって何だろう。

希望をつくる仕事 ソーシャルデザイン

希望をつくる仕事 ソーシャルデザイン



ソーシャルリクルーティングについてコメントが欲しいと取材を受けた。取材自体はとても楽しいもので、編集担当者の明晰さに驚きつつ、いろいろととりとめのない話をさせていただいた。その編集担当者がかかわっている書籍。インタビューを受けると聞いて、事前に購入して「予習」していった(笑)。なかなか素敵な本で、興味があるという人はぜひ一読されることをお勧めする。ただし、そういうことに興味がある人は「もう既に読んでいるだろうな」と、思ったりもしている。

ソーシャルという言葉は文字通り「社会的・社交的という意を表し」それ自体は他の外来語の上に付いて意味をなすと辞書にも書いてある。が、ソーシャルという言葉は、意外に勝手に一人歩きしてしまっている。それぞれの人たちが、それぞれのソーシャルにおいて、それぞれの意味で使う言葉。正体は今ひとつつかめない。結果として、ソーシャルという言葉が付いていると「良さげ」ではあるが、ソーシャルとはどういうことなのかという意味を明快にしているケースは多くない。ソーシャルはいつも曖昧。

ソーシャルリクルーティングという言葉も実につかみどころがなくて、ソーシャルネットワークサービスをツールとして使うだけなら、それはリクナビのような媒体や電子メールや、それこそ直に会って話をすることや手紙を書くことの「代替」にすぎない。ツールが単に置き換わっただけだ。それ以上の意味を持たない。人とのつながりを簡単に深められるということにしても、それも「手段が一つ増えた」ということだろう。もう一つ、ソーシャルという言葉の持つ狭さが、やけに気になっている。

ソーシャルという冠が付く話は、いかにも良さげなことが行われていて、その延長線上にいる人たちの顔ぶれはとても似ている。集まる人たちもソーシャルが好きな人たちで、いつもワークショップを開いている気がする。冒頭に書いた「興味がある人は、もう既にこの本は読んでいるだろう」という、私のぼんやりとした確信(変な言葉だけど)は、そのあたりからやってきている。そう言う意味でも、裏を返せば「ソーシャルなんちゃらには興味ない」という人に、この本は手に取って欲しいとも考えている。