簡素な生活。

サカタカツミのブログ。連載のサブノートが中心。すべての働く人たちに。役に立つ話も立たない話もあり。

やりたいこと幻想の末路。



連載が更新された。今回の原稿でとくに気にかけて欲しいのは『企業は従業員のやりたい仕事などたいして興味がない』ということだ。データをみれば一目瞭然だが、従業員の能力を最大限発揮させるために必要な雇用管理事項としては『下から数えた方が早い』のだから。就活時点では学生に対して企業はそれこそ『執拗に』やりたいことを問う。自社でなにをしたいのか、なにができるのか、将来的にどんな仕事に取り組みたいのか、繰り返し繰り返し何度でも聞く。しかし、単に『聞くだけ』なのだ。

実際、就活生が内定者となって最初に戸惑うのは「で、どんな仕事がしたい?」と、研修期間中に改めて聞かれる瞬間だ。エントリーシートから始まって、複数回の面接で、それこそ何度も繰り返し「やりたいことはなに?」と聞かれ、それに対して一生懸命考えて答えたはずなのに、改めて聞かれるのだ。さらに、入社前になると配属面談なる儀式が待っていて、そこで改めて『第三志望まで』希望配属先を聞かれたりすると。いままで採用担当者たちはなにを聞いていたのだと、吃驚しても不思議ではない。

そこまで『希望を聞いて』いるにもかかわらず、結局、願いはかなわないことが多い。配属先が希望している場所ではなかったとして、もしくは希望する仕事に就けなかったとしても文句は言えないし、さらに言ったところで「会社という場所はそういうところだ」と嘯かれるか、もしくは「なにを言っているんだ。与えられた仕事ができるようになってから文句は言え」とドヤされるか、どちらかだろう。自分のことを最大限理解しているはずの、就活時の採用担当者たちを頼ってみても、彼らの反応も薄い。

今回の調査データを見ていると、穴が見当たらないほど優秀で、自分で行動でき、かつ、やりたいことにはこだわらないで、そういう状態に置かれて発生するだろうストレスをコントロールできる人が欲しいと企業は望んでいる、という風に見てとれる(というより、そうとしか解釈できない・汗)。ただ、それに違和感を覚えるビジネスパーソンは少ないだろう。現実は厳しいのだから。だとしたら、やりたいことはなにか、という幻想をちらつかせる就活は、ある意味では罪作りなのかもしれない。