読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

簡素な生活。

サカタカツミのブログ。連載のサブノートが中心。すべての働く人たちに。役に立つ話も立たない話もあり。

就活生とブラック企業と。



就活におけるブラック企業問題は、その取り扱いがとても難しい。今回のコラムにも書いたように『違法な状態であっても、それがケースバイケースとして扱われてしまう』可能性が高いからだ。経営者たちの自伝を読んでいても、創業時には寝食を忘れて無我夢中で働いた、という回想がふんだんにある。まあ、彼らは経営者であり従業員ではないというところから、すでにボタンの掛け違いは起きているのだけれど。それはさておいても、ブラック企業という言葉が曖昧過ぎて、逆に問題の本質をわかりにくくしている。

労働基準法という法律があるのだから、それを遵守して働かせる(言い方は悪いが、経営者的視点だとどう考えてもこうなる)のが筋だろう。法律の運用が厳密ではない分、脱法しながら働かせる方法がまかり通り(サービス残業などこの最たるものだ)雇用契約の曖昧さや、働くという慣習の悪用(例えば、就業時間前に来て準備するという行為も厳密に言うとグレーだろう)を盾に取って働かせることが『別に珍しくない』状態であり、同時に「そんなんでブラック言うなや!」と、働く人たちの口から出るのか怖い。

価格競争が激化している分野では、人件費を圧縮するのが競争力を高めるのに最も効果的だ。そこで働いている人がどんな条件で仕事をしてようとも、安くてそれに見合った品質が提供されていれば、供応される立場としては問題ない。ブラック企業だと喧伝されている企業は少なくないが、それによって『店に客が来なくなった』『商品が全く売れなくなった』という話はあまり聞かない。それとこれとは別という感じなのだろうが、根っこの部分は同じであり見過ごしていいのかしらと、老婆心ながら思ってしまう。

就活生はブラック企業という言葉に敏感だ。だから、二つの視点から惑わされないで欲しい。一つは『それでもケースバイケースである』ということ。過酷な環境で働いていたとしても、それが糧になるという人もいる。逆に緩い環境でも嫌なことがあって退職した人は「あそこはブラックだ」という。人とはそんなもんだ、という前提を忘れないで欲しいのだ。その上で『決められたルールから逸脱する企業は危険』だという認識を持って欲しい。だったらもっとルールを破っていいな、と考えないとも限らないのだから。