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簡素な生活。

サカタカツミのブログ。連載のサブノートが中心。すべての働く人たちに。役に立つ話も立たない話もあり。

カレーライスは美味しい。

アンソロジー カレーライス!!

アンソロジー カレーライス!!

  • 作者: 阿川佐和子,阿川弘之,獅子文六,東海林さだお,安西水丸,滝田ゆう,寺山修司,中島らも,林真理子,藤原新也,古山高麗雄,町田康,色川武大,向田邦子,村松友視,山口瞳,池波正太郎,吉本隆明,よしもとばなな,吉行淳之介,伊集院静,泉麻人,伊丹十三,五木寛之,井上ひさし,井上靖,内田百?,内館牧子,小津安二郎,尾辻克彦,神吉拓郎,北杜夫,久住昌之,佐内正史
  • 出版社/メーカー: パルコ
  • 発売日: 2013/02/28
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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カレーライスを語れば何時間でもという人は少なくないだろう。人それぞれにカレーライスの思い出があり、基準があり、ポリシーがあり、サイクルがあり、悲喜こもごもがあり、付き合いかたがあり、まあ、いろいろあるだろう。ここで紹介している本は、カレーについて、阿川佐和子さんから吉行淳之介さんまで33編のアンソロジー。とにかくカレーの話だらけであり、読めば必ずカレーが食べたくなること請け合いである。夏も終わりに近づいている今だからこそ、この本を読んでカレー腹になって欲しい。

アンソロジーとは、辞書的な意味でいうと「anthologyであり、一定の主題形式などによる作品の選集。また抜粋集」である。カレー以外のアンソロジーも編めそうな気がして、いろいろと考えてみたが、ラーメンはありそうで難しいし、サンドイッチやオムライスでは役不足、ビールやウイスキーもアリだけど、ちょっと間口が狭い気がするし、うどんや蕎麦もない。そう考えるとカレーは食べ物の中では別格の王様であり、他の追随を許していないということになる。もちろん、異論は認める(承りませんが)。

もう一つ。アンソロジーというスタイルは楽しい。同じ主題にもかかわらず、いや、同じ主題だからこそ、書いている人の個性が如実に現れる。ただひたすらに美味そうな描写が続くかと思えば、オカルトちっくな物語にキチンとなっているものもある。カレーを肯定しているだけの文章があると思えば、斜に構えすぎて鼻についてしまうそれもあって、その違いを楽しむのも、なかなか乙なものだ。そう考えると、カレーライスという主題にはなっているけど、そもそもカレーライスかライスカレーかという議論もある。

佐内正史さんの実に美味そうな写真と、カレー色の用紙に刷られたカレー話。この本は深夜に読むと危険である。ベッドの中で眺めているだけで、居ても立ってもいられなくなって、深夜に満足いくカレーライスが食べられる店を検索してしまったりする。ないとわかった瞬間に、冷蔵庫にある食材を頭の中で検索し、なんとかカレーライスが作れないかとその可能性を探ってみたりもする。実際の店も何軒か紹介されていて訪ねてみると決意したりする。要はシンプルにカレーライスが食べたくなる。罪作りな本なのだ。