読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

簡素な生活。

サカタカツミのブログ。連載のサブノートが中心。すべての働く人たちに。役に立つ話も立たない話もあり。

就活のボタンの掛け違い。



連載が更新されたので、サブノート的なエントリーを。今回興味深かったのは「就活生は知りたいと思っているけど、就活中に知ることができなかった」というデータ*1だった。就活生が知りたいと思っている項目のトップ3は「具体的な仕事内容」「採用選考の基準」そして「企業が求めている具体的な能力・人物像」である。後者の二つは就活生にとって切実な問題だろう。ここがわからなければ、就活の対策を立てようがない。ただ、企業はここを明らかにしない。ケースバイケースとか対策なんてないと言って逃げる。

データの下位に目を向けると「知りたいと思っていた」「実際に知ることができた」というスコアにギャップがある項目が味わい深い。例えば、社員の労働時間などハッキリとしたデータがあるので曖昧な部分はないはずにもかかわらず、最後までわからなかった学生が少なくなかった模様。仕事のやり方・進め方なども、具体的な仕事内容を掘り下げて説明すればいいはずなのに、就活生の理解度は低い。社内の人間関係という、働く上でもっとも知りたい情報の一つも、就活生には十分な情報が与えられていない。

「こんなはずじゃなかった」と、苦労して入社した企業から早期離職してしまう原因を、若手社会人の辛抱のなさと言ってしまうのは、もう止めた方がいいということがこのデータからわかる。彼らの多くは「入社後のことを知りたいと思ったけど、わからなかった」のだから。それは入ってみて「あれ、これは違うよな」という状態になってしまっても無理はない。短い期間での就活ということに原因を求めるつもりはないが、現状の仕組みと採用広報では、おそらく限界が来ているのだろう。別のデータからもそれがわかる。

「企業が採用基準として重視する項目と、学生が面接等でアピールした項目」*2というデータを見ていると、企業の採用基準と学生のアピールポイントが明らかにズレているのが見て取れるだろう。「人柄」「当該企業への熱意」「今後の可能性」が企業の採用基準のトップ3だ。いずれも長く働いてもらうつもりで、自社にとってより良い学生を採用しようと考えているのは明らかだ。しかし、就活生には「あなたはどういう人ですか?」と何度も問いかけるわりには、企業は自社の社員がどのくらいの労働時間だということすら明らかにしていない。ボタンの掛け違いという言葉がピッタリくる話。

*1:『就職白書2013/株式会社リクルートキャリア就職未来研究所』

*2:出典はこちら。