簡素な生活。

サカタカツミのブログ。連載のサブノートが中心。すべての働く人たちに。役に立つ話も立たない話もあり。

就活が陳腐になる瞬間が。



新しいハコと表現したらいいのだろうか。例えば、新居を構えたとする。今まで使っていた家具を入れたのだが、あれれ、なにか違和感があると。いままでお気に入りだと思っていたものが、急に色褪せてしまう。古くさくなってしまうという表現が、正しいのかもしれない。結果として買い替えたくて仕方なくなり、その空間にマッチするものを購入してしまう。iOS7にアップデートされたiPhoneの画面を見ていて、ふとそんなことを思い出していた。今までのアプリのアイコンが色褪せてしまって、戸惑った話。

就活にも新しい流れが来ているような気がする。そもそも学生は以前ほど熱心に就活に取り組まなくなったし(賢い就活生が増えている印象がある)リクナビやマイナビの利用率は相変わらず高いけれども、それはツールとして使わざるを得ないからであって、それに依存した就活しかできない、という雰囲気でもなくなっている。ユニークな採用方法をとる企業も増えつつあるし、それをサポートするシステムも産まれている。ただ、だからといって、リクナビやマイナビなどの就活サイトは相変わらず色褪せたりはしない。

それはきっと新卒採用というハコの中で、すべてのプレイヤーが勝負しているからだろうと思う。新しいサービスを考える人の多くは、当たり前だが、自分が考えついたそれは画期的だと自負する。そうでないとビジネスとしては成立しない。が、同じハコの中で勝負している間は、所詮ニッチな産物であり、それ以前のサービスが陳腐化することはない。どれだけ新しい就活サービスが産まれようとも、それはただの細分化に過ぎなくて、結果として王者は健在、という状態になり、なにも変化は産まれないことになる。

日本のガラパゴス携帯(こういう表現は好きじゃないけど)を「こんなに機能てんこ盛りにしてどうする。電話はシンプルで堅牢が一番。世界に売るということはそういうことじゃないか」と嘯いていた人が少なくなかった。結果としてガラケーが廃れ、世界を席巻したのは「もっと高機能」を「自分で選択できる」そもそも「電話じゃない」ものだったということを考えると、就活、正しくいうと新卒採用というハコが陳腐化する瞬間は、まだ訪れそうにない。

真っ新なキャンバスに絵を描く、最初の一筆には勇気がいるのだ。