簡素な生活。

サカタカツミのブログ。連載のサブノートが中心。すべての働く人たちに。役に立つ話も立たない話もあり。

欲しがられて転職をする。



就活や転職に関するサービスやメディアのプロデュースに長く携わっているが、就活生や求職者が「選ばれる立場の弱さ」を意識しすぎる構造が気になっていた。確かに採用する側とされる側なのだが、採用する側も実はまた「選ばれている」ことを理解している人は少ない。例えばリクナビだと、一万社を超える企業が掲載されているが、当たり前だが応募がほとんどないという企業もある。そう、その企業は就活生から「選ばれなかった」のだ。見逃されがちだが、企業にも企業の苦悩があることを知っておくといいと思う。

ただ、そうはいってもやはり就活生や求職者は「選ばれる立場である」ことは変わりないともいえる。あなたたちも選ぶ側ですよといわれても、ピンと来ないのも仕方ない。現状のシステムの多くは、選ぶ側が募集をし、選ばれる側が応募をするというフレームの延長線上にある。だから結果として、それぞれの立場が固定されてしまう。なんとかならないのかとずっと思案し続けているが、なかなか正解が見えてこなかった。が、ツイートしたサービス(=CodeIQ)をプロデュースしてきて、少し新しい道が見えた気がする。

このサービスは「エンジニア向けに問題を出し」それを「エンジニアが回答する」ことで「企業から声がかかるかもしれない」という仕組み。転職したいと考えた人は、その問題を解くだけ。そもそも特定の企業に応募できる仕組みは作っていないので、企業への志望動機など考える必要はないし、履歴書や職務経歴書だって不要だ。考え抜かれたコードや素敵な回答を書くだけで良い。そうすれば「転職を考えているなら、ウチで働きませんか?」と声がかかる。そう「欲しがられて転職する」という仕組みが、そこにはある。

欲しがられているわけだから、転職者は企業を選ぶことができる。複数からオファーがあれば選り好みも可能だ。企業の採用担当者と会っても「志望した動機は?」とか「どんな利益をもたらしてくれますか?」などと聞かれることはない。だって、企業が欲しがったわけだから。実力を示すことが出来れば、欲しがられる世の中になれば、もっと働くことが楽しくなるかもしれないとずっと考えていたが、やっと少し「出来るかもしれない」と思えるようになった。まだ先は長い。でも、意外にやれると自分では思っている。