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簡素な生活。

サカタカツミのブログ。連載のサブノートが中心。すべての働く人たちに。役に立つ話も立たない話もあり。

話を突き合わせる面白さ。

ぼんやりとニュースを見ていたら、とても面白いことに気がついた。サッカー日本代表のことである。サッカーを見るのは好きだが、テレビ観戦どまり、しかも代表戦がメインでほかの知識はほとんどない。ただ結果を見て「あー、良かった」「これは残念」と一喜一憂する程度のものだ。ワールドカップに出場できなかったヨーロッパの国との親善試合に連敗したところで、事の重大さ、もしくはそれが些細なことである、あるいはそのどちらでもないことは理解できない。ただ、選手や監督のコメントに「疑問」があるのだ。本田圭祐選手はベラルーシ戦後のコメントでこんな話をしている。

選手たちで話して、今までやってきたことが出せていない部分もあるんですが、ワールドカップ用にさらに大きなものを披露しようとして、今はそれを組み立てている段階であるんで。その新たなトライをしていることで、前と同じようにすれば得点もできたかもしれないけど、新しくやろうとしていることがうまくいかず、新しいことをトライしようとして、以前の良さが出ていない。そのへんのちぐはぐさは若干あると思う。選手も監督もそこは悲観していない(スポーツナビより引用*1

今日はワールドカップを想定して、その時点で今までと違うやり方を披露するためのテストであり、それがたまたま上手くいかなかっただけであって、監督も選手も結果だけをみてガッカリはしていない、とコメントしている。遠藤保仁選手も同様のコメントをしている。要はいろいろとトライしていたけど上手くいかなかっただけだと。

今日もいろいろなことにトライしながら、あえて狭いところで回したり、(本田)圭佑が下がってきたり、いろいろやったが、それでもボールは確実に回るので、その位置をあと5mか10m前にしたい。そこで回せれば一発のパスやスルーパスでフィニッシュに絡めると思う。そういうのを増やすというか、ボールを回す位置を高めれば、回すところでも相手に怖さを与えることができると思う(ゲキサカより引用・以下同)

ふーむ。しっかりとトライする、新しいことにチャレンジする、南アフリカ大会のようなサッカーをしないと決めて、チームとして次に進むという決断をして(それはすなわち監督であるザッケローニの指示であるはずだ)結果として、精度が甘かったりすこし勇気が足りなかった結果である、というならなるほどなー、という感じだ。が、以下のコメントを読んでいると、あれれ、オカシイかもということになる。

もうちょっと簡単にはたけばいいというか、持ちすぎているところもあるし、あとはバイタル、エリアの外くらいのところで細かくつなぎ過ぎのところもあるし、シュートを打ってもいいんちゃうかという場面も結構あったと外から見ていて思った(ISMより引用・以下同)

途中出場した山口蛍選手のコメントである。これってサッカーでは普通のことなのかが知りたい。11人のプレイヤーがいて、意思統一をされることなく、中心選手たちが「トライする」思惑で行動し、ほかの選手がそれをみて「あれ、違和感あるなー」となるのが日常茶飯事なのかと。そもそも、本田選手がいう「選手たちで話し合って」の選手とは誰なのか、そして、その選手たちの話し合いと監督の戦術との関係性は、どうなっているのかと。岡崎慎司選手が面白い発言をしている。

日本はそれが臨機応変にできるチームだと思うので、困ったらロングボールを入れてもいいし、自分や(香川)真司がサイドに開いてそこでロングボールを受けるというのもあると思う。意地でも短いパスをつなぐのか、共通意識の部分で足りないところもあると思う(ゲキサカより引用・以下同)

共通認識が足りない。このフレーズはサッカー日本代表の敗戦後の選手コメントの中でよく見かける気がする。ついでにもっと頻出するのは「精度」というフレーズだ。岡崎選手はさらにこんなコメントをしている。それもとても興味深い。

今は選手も意見を言うようになってきているし、監督も自分のやりたいサッカーを伝えてくれる。

今は、なのか……。彼らの技術についてとやかくいう見識は持ち合わせていないのでコメントできないが(きっと素晴らしい選手たちなんだと思う。その点はまったく疑っていない)、選手たちのコメントを拾っているだけで、チームマネジメントが出来ていないことがあからさまになる。これを「思いが一つになっていない」と切り捨てるのは簡単だが、ことはそんなにシンプルな話でもないような気がする。

ホームとアウェーで内容や戦い方に差が出てしまうことを自分たちも認識しているので、できるだけその差をなくそうと、今回の遠征をお願いした。どういう姿勢で戦ったらアウェーでも勝利に近づくことができるか、その可能性が高まるかを知るために欧州まで来た。我々はアジアを出ると、自分たちの戦いができなくなる。アジアの中と外で内容に差が出てしまうことについては私の責任だと思う。どうしたらこの課題を修正し、解消できるのか。自分が先頭に立ってやっていかないといけないという気持ちでいる。(ゲキサカより引用) 

ザッケローニ監督の試合後のコメントだ。ホームとアウェーの「差」に注目し、それを解消する方法論を探ろうという意図があったと。実際、選手のコメントの中にはその部分を意識して戦っていたという形跡が見つけられる。しかし、そんなことはおかまいなしの選手もいて、新しいことにトライしている人もいれば、それに違和感を持つ選手もいたという状態だったということだ。話を突き合わせると、なるほどな世界があからさまになる。

*1:引用はすべて初出媒体名を掲載