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簡素な生活。

サカタカツミのブログ。連載のサブノートが中心。すべての働く人たちに。役に立つ話も立たない話もあり。

本を出したい人への小話。

プロデュースというと大げさだけど、出版の手助けをした書籍が発売になったので、ここで少しだけ、メモのようなものを書いておきたいと思う(Facebookにはすでに投稿したので、読んでいるかたもいるだろうけど)。以下の書籍。とても素敵です。写真を撮るということに興味がない人でも、店頭で手に取ってみてほしい。写真そのものが素晴らしく、それ自体を味わえる紙面構成になっている。

HDR写真 魔法のかけ方レシピ ~撮ったあと生まれ変わる、写真のあたらしい楽しみ方

HDR写真 魔法のかけ方レシピ ~撮ったあと生まれ変わる、写真のあたらしい楽しみ方

 

本を出したい、という相談はそれこそ山のように受ける。が、以下の3つが揃っていないと、最初のハードル、つまり私がお引き受けしない。

  • コンテンツが揃っているか
  • 著者がある程度の発信力を持っているか
  • 他にないユニークさがあるか

石川さんの場合、ブロガーとしては有名人で情報発信力は十分。コンテンツも、世界一周旅行に行って撮影した写真もふんだんあり、十分揃っていた。題材はユニークで申し分なかったのだが、逆にユニークすぎて、一般性に欠けた。余談だが、最初の二つは揃っているという人は少なくない。しかし、他にないユニークさというハードルを設定すると、本を出せる人は極端に少なくなる。少なくとも、私はそう考えている。

今回は著者の石川さん(まゆみんと呼んでますが)が、かなり頑張った。最初「本を出したい」と相談された時に、「あー、今のままでは、出るか出ないか、五分五分だな」と思っていた。理由はいくつかあるが、大きかったのは、書籍としてのパッケージの難しさだった。読者層が極めて限られるディープな書籍、もしくは著者のビジュアル(とても素敵な女性だ)や、世界一周旅行で撮った写真の魅力をミックスした、写真好きな女性への、もっと写真を撮ろうよ的なライフスタイル本になるか。そんな方向。

ただ、実際に出来上がった本を見てもらえば一目瞭然だし、ネタバラシになるので書かないけれども、そのどちらにもならなかった。極めて真っ当で、この分野では日本で初めての書籍にふさわしい内容になった。サラッと書いたが、その内容にすることはとても大変だ。類書がない、ということは、参考にすべきものもない。つまり、一人で手探りで道を歩いていくしかない。孤独な作業に筆者は耐えた。その結果の一冊なのだ。

「もうしばらく自著を開きたくない」と、昨日開催した出版記念のこぢんまりとしたパーティの席で、石川さんは言っていた。そのくらい大変な作業だったのだろう。でも、出したら終わり、ではないのだ。これからもこの分野の先駆者として活躍してほしいし、なによりも著者は本を売らなくてはならない(笑)。とりあえず、おめでとう、そしてお疲れさまでした。これからも頑張りましょう。よろしくお願いします。